尿路結石症センター

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尿路結石症センター

センター長 戸邉 武蔵
センター長 戸邉 武蔵

当センターの特徴

当院では、我が国で最初の体外衝撃波砕石術(ESWL)の導入をはじめ、尿路結石症に対する内視鏡治療も積極的に施行してまいりました。他施設より多くの困難症例もご紹介いただき、尿路結石に関する北海道の中心的施設として臨床に従事しております。最先端の内視鏡、手術器具を用い、低侵襲な治療を目指し努力しています。
尿路結石の治療法は、結石の部位やサイズ、そして患者様の背景(年齢、発熱の有無、合併症など)により異なります。

そこで当院の治療内容、方針をわかりやすくまとめてみました。
患者様1人1人にとって、最も安全かつ短期間での結石に対する治療を相談、施行してまいりますので、尿路結石症の治療でお困りの患者様は、お気軽に来院、ご相談ください。

I.尿路結石症とは?

尿は、腎臓で血液を濾してつくられ、それぞれ左右の腎盂から尿管を通って膀胱にたまります。
尿が膀胱にある程度たまると、膀胱から尿道を通って体の外へ出されます。
[腎臓→腎盂→尿管→膀胱→尿道]を『尿路』、この経路に存在する結石を『尿路結石』と呼びます。

そこで当院の治療内容、方針をわかりやすくまとめてみました。
患者様1人1人にとって、最も安全かつ短期間での結石に対する治療を相談、施行してまいりますので、尿路結石症の治療でお困りの患者様は、お気軽に来院、ご相談ください。

1) 症状結石ができたらどんな症状がでるの?

① 痛い!(背中・脇腹・おなかの下)

② 血尿!(おしっこがピンク~赤に)

③ トイレが近くなる(結石が尿管の下や膀胱にある場合)

④ 吐き気・嘔吐(激しい痛みと併発することが多い)

⑤ 発熱(細菌感染を併発した場合)
※ただし、腎結石の場合、無症状のこともしばしばです。
※上記すべての症状が同時に現れないケースもあります。

2) 検査結石が疑われたらどんな検査をするの?

① 尿検査(検尿)…血尿や感染尿の有無、尿のpHはどうか?などを調べます。

② 身体診察…背中を叩いて、痛みが体内に響くかどうか調べます。

③ 画像検査…結石の有無、位置や大きさを評価します。
1)単純レントゲン、2)超音波検査(エコー)、3)CTスキャン、4)造影検査

④ 血液検査…腎臓の機能、貧血、前立腺がんのマーカー・カルシウムやリンなどを調べます。

II. 治療結石が見つかったらどんな治療をするの?

1) 痛みなどの症状に対する治療

痛みの原因は、結石が尿管につまり、腎臓で作られた尿が膀胱へながれず、腎臓の内側の圧力が高くなることにより出現するといわれています。鎮痛剤でも除痛されない場合や、腎臓に細菌感染を起こした場合(結石性の腎盂腎炎)、手術前に尿道から尿管へ細長いチューブ(尿管ステント)を入れます。ステントが入らない場合は背中から、腎臓へ直接管を入れることで(腎瘻)、腎臓にたまった尿を外へ排出させることがあります。

2) 結石そのものに対する治療

① 保存療法
5mm以下の大きさであれば、おしっこと一緒に排石(自然排石)される可能性があります。尿量を増やす目的で、水分を多量に摂取したり、適度な運動をしたり、薬物療法(αブロッカー・ウラジロガシなど)を投与して、経過を見ることがあります。

② 手術療法
5mmを越える結石は排石される可能性が低いため、手術の適応となります。また、結石が2個以上(複数個)ある、結石のあるほうの腎臓が萎縮して機能が低下している、感染を併発したなどの場合は、手術療法の適応となります。

3) 手術治療結石に対する手術はどのようなものがあるの?

① 体外衝撃波砕石術(ESWLあるいはSWL)
ベッドの上に横になり、クッションを背中に当て、そのクッションから、結石へ衝撃波を当てて、結石を間接的に破砕する手術です。約1秒間に1回のペースで背中を、50~60分間(約3,000回)叩きます。体の負担が少なく、日帰りでも行えます。

体外衝撃波砕石術

② 経尿道的砕石術(TUL)
現在もっとも主流となっている手術で、細長い内視鏡(尿管鏡)を尿道→膀胱→尿管(→腎臓)と挿入し、結石を直接レーザーなどの破砕装置で割って、さらに体外へ取り出す治療です。

経尿道的砕石術

③ 経皮・経尿道同時内視鏡手術(ECIRS エシルス)
2cmを越える大きな腎結石(複雑で大きなサンゴ状結石も含む)や、膀胱がんなどで膀胱全摘および尿路変更手術を行った患者様に生じた結石には、TULと経皮的砕石術(PNL)を併用した手術を行います。PNLとは、背中から腎臓へ穴をあけて、そのトンネルに内視鏡(腎盂鏡)を挿入し、結石を破砕し摘出する手術です。

経皮・経尿道同時内視鏡手術

④ 開腹あるいは腹腔鏡手術
上記①②③でも対応できない症例に対して行うことになります。

III. 結石の予防結石の再発を予防するには?

結石は再発しやすいという問題があります。
5年間で2人に1人は再発するともいわれており、下記のように予防することが重要です。

そこで当院の治療内容、方針をわかりやすくまとめてみました。
患者様1人1人にとって、最も安全かつ短期間での結石に対する治療を相談、施行してまいりますので、尿路結石症の治療でお困りの患者様は、お気軽に来院、ご相談ください。

① 水分をたくさん摂りましょう!
ガイドラインには一日の尿量が2リットル以上になるように水分を摂取しましょうとあります。
適度な水分摂取はもちろんのこと、おしっこを我慢しすぎない、排尿後の陰部のふき取り方(前から後ろへ)など、生活習慣にも留意していただくことが重要です。

① 食事内容に注意!
シュウ酸カルシウム結石の患者様はシュウ酸の摂りすぎに、尿酸結石の患者様はプリン体の摂りすぎに注意が必要です。

・シュウ酸を多く含む食材/ほうれんそう・たけのこ・落花生・さつまいも・オクラ・コーヒー・紅茶・玉露茶・バナナ・ココア・チョコレートなど

・プリン体を多く含む食材/レバー・魚の干物・甲殻類・イカ・貝類・しらこ・アンコウ肝・干しシイタケ・ビールなど

③ 食事や薬で予防!
クエン酸薬剤やクエン酸を多く含む食品(柑橘系・イチゴ・ラズベリーやクランベリー)で予防できる可能性があります。血液中の尿酸値が高い場合(高尿酸血症)は、尿酸値を下げる薬を飲むこともあります。

上記すべてを行っても、再発してしまうケースがあります。
症状が無くても、定期的に泌尿器科の外来へ通院し、画像検査を行い、再発していないか確認することをオススメいたします。

さいごに

三樹会泌尿器科病院は、日本ではじめて(1984年9月1日)ESWLを導入した施設です。
本邦第一号機(Dornier社HM3)は、すでにお役御免となり、現在は新機種に取って代わっておりますが、現在でも年間140例(2021年)の症例にESWLを施行しております。
また、TULは2019年には483例と、症例数で本邦1位となった実績もございます。
最新のレーザー装置も導入しており、効率的に結石の破砕を行っております。

そこで当院の治療内容、方針をわかりやすくまとめてみました。
患者様1人1人にとって、最も安全かつ短期間での結石に対する治療を相談、施行してまいりますので、尿路結石症の治療でお困りの患者様は、お気軽に来院、ご相談ください。

かの高名なヒポクラテス全集にも次のような記載があります。
“I will not cut, even for the stone, but I will leave such procedures to the practitioners of that craft”
『截(さい)石術は、必ず之を専門家の手に委ねましょう』

尿路結石が疑われる、あるいは見つかった患者様は、是非当院へご来院ください。