前立腺肥大症治療センター

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前立腺肥大症治療センター

センター長 戸邉 武蔵
センター長 芳賀一徳

当院では、前立腺肥大症に対する、安全で効果的な患者様1人1人にあった低侵襲治療を目指しています。

当センターでは、最新の低侵襲な治療を取り入れ、最先端の内視鏡、手術器具を用い、患者さんそれぞれの対し前立腺肥大症に最適の治療法が選択できることを目指しています。

そこで皆様に対し、①前立腺肥大症とは?②治療の方法と特徴を分かり易くまとめてみました。
前立腺肥大症の治療でお困りの患者様は、お気軽に来院、ご相談ください。

前立腺肥大症とは?

前立腺は男性の膀胱の下にある栗の実大の臓器です。
排尿の調節や射精にかかわったりします。

前立腺肥大症

前立腺と尿道の関係は、図のように 前立腺の中をやわらかいホース(尿道)が通る状態です。前立腺が肥大すると尿道が押され尿の通り道が狭くなります。そうすると尿の勢いが弱くなる、尿がでにくい、もっと病状がすすんでしまうと尿閉というおしっこが出なくなり、非常につらい状態になり、導尿(カテーテルで尿を出す)という処置が必要になります。

前立腺肥大症は、加齢とともに増加し、50歳代の男性の約50%、80歳以上の男性では80%を超える方が、前立腺肥大になります。

前立腺肥大症

前立腺肥大症の症状

尿の勢いがなくなる、排尿の回数が増える(頻尿)、夜間頻尿、排尿に時間がかかり完全に出きらない、残尿感、腹圧排尿、悪化すると尿が全くでない「尿閉」という緊急状態になることもあり、腎臓機能障害も発生します。

前立腺肥大症の治療

薬物治療

1.薬物治療

最も広く使われている薬剤が、前立腺・尿道の緊張を緩めることで尿が通りやすくする薬です(アルファ―ブロッカー)。男性ホルモンの働きを抑え、前立腺を小さくして、尿道の圧迫を減らす薬もあります。
植物製剤や、漢方薬もあります。これらを組み合わせることで、排尿がスムースに行えるようにします。しかし薬物治療で効果が不十分な場合は、手術による治療があります。

薬物治療

2.手術療法

薬物治療で、①充分な効果が得られない場合、②前立腺が大きく尿閉を繰り返す場合、③血尿が出るなど、このような病状では、手術が必要になってきます。手術をおこなうことで、おしっこの心配がなく安心して生活ができるようになります。

手術療法の特徴(経尿道手術)

レーザを使用する前立腺核出術(HoLEP)は大きめの前立腺肥大症に対して大変高い有効性を持ち、また前立腺がんの組織が含まれてはいないかの確認も取れるので、大変優れた標準的術式です。

以前の電気メスを用いたTUR-Pと比較し、レーザを用いるため、出血も少なく、図のように肥大した宇前立腺(内腺)をくりぬくようにきれいに摘出できます。しかし、麻酔のリスクの高い方、術後の安静の保てない方にはこの手術ができないことがあります。そのような方には新たに導入した(2022年~)低侵襲治療が有効です。
低侵襲治療の中でも、経尿道的前立腺吊り上げ術(ウロリフト)は術後すぐに閉塞が無くなることから効果が早く表れます。経尿道的前立腺吊り上げ術は異物を留置することで、感染のリスクが高い患者さんの場合は注意が必要です。

一方、経尿道的水蒸気治療(WAVE)は水蒸気により加熱された、前立腺肥大が時間をかけて縮小していくため、排尿の効果が出るまでに少し時間がかかります。
経尿道的水蒸気治療は感染リスクは少なく、特に高齢でバルーンを留置しなければならないようなリスクの高い方にも、WAVEがよい適用となると考えられます。

HoLEP、経尿道的前立腺吊り上げ術、経尿道的水蒸気治療の手術治療法の良い点、注意点をふまえ、そこに薬物治療法も組み合わせてゆくことで、さまざまな患者様の病状や前立腺の状態、生活のニーズに合った治療を行うことができます。

A.HoLEP (Holmium Laser Enucleation of the Prostate:レーザー前立腺核出術)

肥大した前立腺をレーザーを用い核出し(くりぬく)、吸引して取り出す術式です。長年標準治療として行われてきた経尿道的切除術(TUR-P)に比べて出血が少ないなどの利点があります。

HoLEP HoLEP HoLEP HoLEP

B.経尿道的前立腺吊り上げ術(ウロリフト)

従来の手術療法は、どれも肥大した前立腺組織を物理的に除去して、尿道を広げる手術になります。

しかし、ウロリフトは前立腺組織を切開したりすることはなく、肥大した前立腺部分の2~6カ所に内視鏡下でニードルを介して小型のインプラントを留置し、閉塞の原因となっている左右の前立腺葉を牽引して尿道を確保する術式です。肥大した前立腺部の尿道を吊り上げることで、尿道のスペースを広げる術式になります。術後すぐに尿道の開大を認め、より早期に排尿効果の改善が見込まれます。

ウロリフト ウロリフト

C.経尿道的水蒸気治療(WAVE)

経尿道的水蒸気治療(WAVE)はウロリフトと同様に低侵襲な治療法で、どちらも米国では長期的な成績は優れています。WAVEは、肥大した前立腺組織に水蒸気を充満させて組織を壊死させ、肥大組織を縮小させる低侵襲な治療法です。

手技時間は10分から15分程度と従来の治療法より短く、ほとんど出血がなく、射精機能の維持も可能となります。時間と共に変性した細胞は体内で自然吸収されて、尿道の圧迫がやわらぎ排尿障害を改善します。

経尿道的水蒸気治療

挿入した内視鏡からはハリをさして水蒸気を注入します。4~6か所で同様の処置をします。

経尿道的水蒸気治療

この水蒸気の熱により前立腺が変性、小さくなってゆきます

【芳賀センター長 2024Rezum講演会 in ASEAN 報告】2024年8月15日~8月19日に行われたASEAN(インドネシア、タイ、マレーシア)で行われた芳賀センター長によるRezum講演会の報告になります。下記リンクより御覧ください。

https://note.com/sanjukai_uro/n/n5c69b90c07bf